相続登記はいつするのですか?
相続登記の時期
相続を原因とする不動産の名義変更、つまり、相続登記はいつ行えばいいのでしょうか。
相続登記をする時期は特に決まりがあるわけではありません。とはいえ、一般に相続税の申告は相続があった時から10ヶ月以内と決まっているので、相続登記も、その間に行うのが普通です。
相続税関係だけでなく、相続登記をするのが遅くなると色々な問題が発生する可能性があります。
京都で行われた相続登記の例
京都で行われた相続を例にとってみてみましょう。
京都に土地・建物を保有するAさんが亡くなりました。Aさんには子が2人(B、C)おり、相続人はBさん、Cさんの2人のみでした。
Bさんは京都に、Cさんは北海道に住んでいたため、Aさんは子供達のことを考え、生前に土地・建物はBさんに相続させ、その他の預貯金等をCさんに相続させる旨の遺言書を残していました。
このため、通常であれば京都の土地・建物はBさんのみが相続することになります。
ここで、もしBさんが相続登記を怠った場合、CさんがBさんより先に法定相続分の限度で京都の土地・建物の名義をCのものに変更してしまう可能性があります。
そして、Cさんが自分の法定相続分の限度で京都の土地・建物を第三者に売却してしまった場合、Bさんは第三者に対してもはや京都の土地・建物を返せということが出来なくなる可能性が高いのです。名義の変更を怠っていたBさんよりも、登記簿の名義を信用して、京都の土地・建物がCさんのものだと信じて購入した第三者の方を保護する必要があるからです。
このようなケースも考えられるため、やはり相続登記はすぐに済ませるべきと言えます。どうしてもすぐに出来ない事情がある場合は、弁護士などの専門家に委任することも考えてみてください。