横浜で亡くなった方の相続について

横浜での相続

例えばこんな事案を考えてみましょう。横浜に住むAさんの母親Xさんが死亡し、相続が発生しました。Xさんの遺言が見つかりましたが、内容は明確なものではありませんでしたので、遺産分割の協議をするということになりました。

なお、もともとXさんは徳島県に住んでいて、Aさんの兄弟もみな横浜ではなく徳島で生活していました。

Aさんは横浜に住んでいるわけですし、Xさんの亡くなったのは横浜ですので、協議も横浜でしたいということになります。逆に、みな徳島県にいるのだから必ずしも横浜でなければならないこともないのではないか、という意見が対立します。

遺言と遺産分割協議

遺言の内容が、例えば、Aさんには遺産のうちこれだけ、Bさんには遺産のうちのこれだけを相続させる、ということが書いてあれば、トラブルは発生しません。

逆に、遺言がなくても、民法が規定する法定相続分によって相続が行われる場合も、それほど問題にはなりません。

横浜での先ほどの例のように、遺言はあるけれど内容が明確でないもののときに、遺産分割協議を行う必要があるとき問題となるのです。

遺言執行者と管轄

遺言は遺言執行者によって実現されますが、この遺言執行者は、遺言によって予め決めておくこともできますし、そうでなければ家庭裁判所の選任によって決まることになります。

それはどの家庭裁判所かといえば、Xさんの最後の住所地にある裁判所です。Xさんが横浜に住所変更をしている場合には、横浜の家庭裁判所で選任されるということになります。