公正証書遺言の閲覧

公正証書遺言とは?

公正証書遺言とは、遺言の一種で、公正証書によってされた遺言のことをいいます。

公正証書遺言の閲覧

公正証書遺言の閲覧は、どういうときに問題になるのでしょうか。

まず、公正証書遺言の方式は、民法969条によって定められています。さらに、この969条の3号をみてみますと、公正証書によって遺言をするには、「公証人が、遺言者の口述を筆記し、これを遺言者及び証人に読み聞かせ、又は閲覧させること」が必要であると定められています。

ここで、公正証書遺言の閲覧という言葉が出てきます。これは、公正証書遺言の内容を、公証人が遺言者と証人2人に確認するためのものです。

平成11年に民法が改正される以前は、ここで証人や遺言者が耳の聞こえない者であった場合どうなるのか、というたいへん厳しい問題が存在したのですが、現在では読み聞かせの代わりに閲覧させることもできるため、耳の聞こえない人でもその内容を確認して民法969条3号の手順をふむことができます。

なお、公正証書遺言の作成に立ち会った2人の承認のうち1人が目が見えない者であった場合について、最高裁判所はその公正証書遺言を有効と判断したケースがあります。

しかし、反対意見もあり非常にきわどいケースといえ、これにあたりそうな場合は一度弁護士に相談することをおすすめいたします。