とある横浜の相続事例

負債の承継

相続というと、その人の財産を受け継ぐものという意味で捉えがちですが、実は、何も受け継ぐのは財産だけではありません。借金などの債務を含め、あらゆる権利義務関係を承継されるのです。次の事例をみてみましょう。

とある横浜の相続事例

横浜市に住んでいたXさんが死亡して、唯一の遺族であるAさんが相続人となりました。Xさんは遺産として、横浜市郊外にある土地を有していましたが、同時に、多額の負債を抱えていました。このときAさんはどのような対応ができるでしょうか。

相続放棄とは

相続放棄という制度があります。これは、文字通り、一切の相続を放棄し、自分をそもそも相続人とならなかったものとして扱う制度です。Aさんは相続放棄をすることで、横浜市の土地の相続を諦めなければなりませんが、逆に負債を自分が承継する必要はなくなります。

限定承認とは

限定承認という方法もあります。これは特殊な方法で、上の例でいうと、Aさんは、土地の価格などから借金を返済し、もしも余剰金が出たらそれを相続する、というものです。これだけを聞くと便利な方法だと思われるかもしれませんが、少し面倒な問題もあるのです。

相続放棄も限定承認も、本人が相続人となったことを知った日から三ヶ月以内の行わなくてはなりません。短い期間ですし、迷うことも多いと思います。詳しい方に相談し、適切な対処をするようにつとめるとよいでしょう。