相続税の増税はいつから

相続税の増税について

平成23年度の税制改正案では、相続税に関する改正についても見られました。相続税の増税が見られたこの改正案は、見送られる形になり、いつから増税されるのかといったことは現時点では分かっていません。しかし、近い将来この増税によって相続税の支払い負担が増える可能性があります。今回はその相続税の増税について説明します。

相続税に関する改正と増税

相続税には、基礎控除や税額軽減措置といった制度が設けられています。例えば、現行における基礎控除では

5000万円 + 法定相続人の数 × 1000万円 = 基礎控除額

となります。法定相続人とは、法律で定められた相続できる人のことです。例えば、配偶者と3人の子どもが法定相続人とされるケースでは

5000万円 + 4人 × 1000万円 = 9000万円

この9000万円が基礎控除額となります。9000万円までの相続であれば、相続税はかかりませんし、相続税の申告も基本的には必要ありません。

しかし、改正案による基礎控除は

3000万円 + 法定相続人の数 × 600万円 = 基礎控除額

となります。先の法定相続人が4人のケースで計算してみると

3000万円 + 4人 × 600万円 = 5400万円

この5400万円が基礎控除額となります。結果的に、より多くの相続で相続税の申告や納付が必要になると考えられます。基礎控除以外にも、生命保険金における非課税枠における法定相続人の範囲が現行よりも限定されることや、相続税率の引き上げも見られます。相続税の増税がいつから適用されるかは明言できませんが、相続対策を早めにしておくことに越したことは無いでしょう。相続対策や相続においてお悩みの方は弁護士までご相談下さい。