遺言の検認を秋田で行う

遺言の役割

遺言には、当人が亡くなった後でもその遺志を知ることができるというだけでなく、遺産分割におけるトラブルを回避するという役割があります。一方で、遺言によっては逆に相続人同士のトラブルを巻き起こすケースもあります。今回は、東京から離れた秋田での遺言書発見を例に、相続にはどういった流れをとるのか、遺言書を中心に少し見てみます。

秋田での遺言書発見

秋田において、Kさんが亡くなりました。Kさん家族は妻と娘が秋田に住んでおり、2人の息子は東京で独立しています。相続の発生にあたって、まずはKさんが書いた遺言書があるかどうかを確認します。遺産分割などの話し合いの最中に遺言書が見つかったりすると、二度手間になることもあります。遺言書が見つかった場合は、勝手に開封などはせずに開封、検認手続を行います。これは、遺言書の偽造や隠ぺいを防ぐためです。検認手続は被相続人(Kさん)の住所地を管轄する家庭裁判所で行わなければなりません。つまり、この場合は秋田の家庭裁判所になります。

遺言書の内容だけで、相続が全て解決してしまうのではない場合、遺産分割協議を行う必要があるのですが、ここで問題になるのが話し合いを東京と秋田のどちらで行うかです。協議が長引くとそれだけで負担になっていまいますが、実はこの場合では東京と秋田のどちらを協議の場にするかは、家庭裁判所を利用することで意図的に選択することができます。調停などの申し立てを行う場合は、原則として相手方の住所地を管轄する家庭裁判所においてです。つまり、秋田で話し合いを進めたい場合は、秋田に住んでいる娘を相手方にすれば良いのです。

このように、制度を自分に有利なように活用することもできます。お困り事は専門家である弁護士にご相談下さい。