コクヨのエンディングノートの意味と効果

父は生前コクヨから発売されているエンディングノートを買って記入していたようで、それがでてきました。またそれとは別に遺言状も準備していたようです。しかし相続に関する記述で、私が受け取る分に双方で矛盾がありました。これはどちらの内容が優先されますか。

エンディングノートとは、自分の死後に備えて、残される遺族へのメッセージや葬儀に関する希望、埋葬に関する希望などを記載しておくノートです。昔から存在しましたが、少し前に同名の映画が公開されたりしたこともあって作成する人が増えているようですね。コクヨなど文房具会社のものから、インターネットを使い無料でダウンロードできるものなどさまざまなものがあるようですが、ものにより形式は少しずつ違うようです。

さて、エンディングノートに相続に関しての希望を書く方もいるようですが、実はエンディングノートには基本的に法的効果はありません。遺言状に法的効果があるのは、法で規定された形式を守っているからなのです。よって、そのコクヨのノートに記載された文面が遺言状としての形式をみたしていない限り、遺言状に記載された内容のみが法的効果を持つことになります。とはいっても相続人同士で同意が出来れば、遺言状と違う内容の相続分指定も可能です。もしエンディングノートの記入が遺言状の作成よりも後日の場合には、エンディングノート記載の意思が最後の意思としてそれを優先する方向で話し合いをするのもいいかもしれません。