納税猶予とは

相続や贈与においては、さまざまな制度があり、納税猶予制度もその中の一つです。今回は、相続や贈与における納税猶予とはどのようなものなのか、少しご説明いたします。

相続や贈与における納税猶予とは

相続や贈与によって、財産を得た場合、その財産の評価額に応じて相続税や贈与税を納めなければいけません。相続では、相続財産の評価額が基礎控除額(相続税が発生しない範囲の評価額)を超えて相続すると、相続税の申告と納付が義務付けられます。相続税の納付や申告は原則として相続開始を知った日の翌日から10カ月以内に行わなければなりません。納税猶予とは、その税金の納付を猶予してもらえるという制度です。

農地等を相続した場合の納税猶予とは

たとえば、被相続人(故人)が農業を営んでおり、その農地等を相続人(相続できる人)が相続して、引き続き農業を営む場合などにおいて、納税が猶予されます。また、その特例を適用された相続人が死亡した場合や、農業を20年間継続した場合などには、納税が免除されます。

この納税猶予の特例を受けるためには、一定の要件を満たす必要があります。例えば、被相続人は、亡くなる日まで農業を営んでいた。または農地等の生前一括贈与を行っていたことなど。相続人は、相続税申告期限までに農業経営を開始し、その後も農業経営を行うとみられるものなどを満たす必要があり、さらに、相続する農地においても要件を満たしている必要があります。

相続には延納や物納といった制度もあります。相続などにお悩みの際は一度弁護士までご相談下さい。