相続で実家の不動産を売却しなくてはならなくなる前に！

相続財産に不動産が多くある場合、どうしても遺産分割が難しくなってしまうかと思います。「遺言で決めておいてくれていれば、こんなにもめなくて済んだだろうに。」と思われる方もいらっしゃるでしょう。

また、不動産の評価が高いと相続税も高額になってしまいますから、「相続税のために金銭をもっと残しておいてくれれば、実家をみすみす売却しなくて済んだのに。」なんてこともあるでしょう。

1. 相続財産に不動産が多い場合の遺産分割協議

民法では「遺産分割は、財産の種類や相続人みんなの事情を考えて分けましょう」ということになっています。特に不動産は分割すると著しく価値を損なってしまうことが多いので、「Aの不動産は長男が相続して、Bの不動産は二男、その他の財産を長女が相続する。」というような分け方をするのが一般的です。

しかし、協議がまとまらず、裁判所が入ると現物分割が原則となります。特に審判になると、分割で価値が著しく下がってしまう場合には競売にかけて売却し、価値の分割を行うこともあります。

ですから、不動産を売却してもよいと相続人みんなが思っているのであれば、競売よりも任売で売却する方が高い金額で売れるでしょうから、不動産を売却して換金して分けるというのも一つの手段でしょう。

相続財産に不動産が多いと、どうしても高額の相続税を負担しなければいけなくなることがあります。そして、その相続税を支払うために、不動産を売ることになってしまうケースもあります。

別荘の売却ならいいでしょうが、相続によって、思いがけなくそれまで一緒に住んでいた実家を売却しなければならないとなると悔しい思いもするでしょう。

税金の対策が相続人の責務だと思われるか、被相続人の責務だと思われるか。また、税金の問題以外にも、相続の場合はあらゆる問題が起こってきます。遺産分割が終わった後に、色々なことに気づいて後悔しても、“後悔先に立たず”です。相続が起こったら、また時に相続が起こる前にでも、早期にご相談ください。