婿養子は相続できますか?

婿養子とは?

婿養子という制度が法律上存在するわけではありません。婿養子というと①妻の戸籍に入ること、②夫が婚姻するとともに妻の両親と養子縁組することの2つの意味で使われています。その他、妻の両親と同居することをいうこともあるかもしれません。

このうち、相続との関係で大きな意味を持つのは②の方です。以下では、②の場合について説明しましょう。

婿養子の立場

婿養子と普通の養子とは何か違うのでしょうか。

いいえ、違いはありません。妻の両親と養子縁組しているといっても、法律上は普通の養子と何ら変わりありません。

養子は縁組の日から養親の嫡出子たる身分を取得します。そして、養親(この場合は妻方の親)が亡くなった場合には、婿養子となった方にも相続権が発生することになります。この場合の相続分は養親の実子である妻やその兄弟姉妹と同じになります。

婿養子と実の親との関係

では、婿養子と実の親との関係はどうなるのでしょう?

妻の両親の子になったのだから、実の親との縁は切れていると思っている方もおられることでしょう。

しかし、妻の両親と養子縁組しても、実子関係が無くなることはありません。実の親との親子関係は法律上続くのです。そのため、実の親が亡くなった場合には、相続権が発生することになります。

したがって、婿養子は、養親の財産と実の親の財産の両方を相続することになります。