福岡で遺産相続が起こった場合(遺産相続の基礎)

遺産相続が起こると、あらゆる問題が発生します。特に遺産分割協議はお互い利害が絡むので、難しい問題です。

そもそも、解決には遺産相続に関する基本的な知識も必要になってきますので、一つの例を基にご説明させて頂きます。

1. 福岡での遺産相続争い

1カ月前に父が亡くなり、相続が発生したという相談がありました。母は既に亡くなっていて、父には、福岡の自宅と自宅以外にも不動産があり、骨董品なども含めると、3億ほどの遺産がありました。

相談者らは5人兄弟で、父はみんなが幼い頃から「代々長男が家を継ぐものだ。」と聞かされてきました。そのため、長男も「父の遺産は全て長男である自分が継承する。」と言っています。

しかし、遺言もないし、長男の言うとおりにはならないと思うのですが、この遺産相続がどうなるか教えてほしいという相談でした。

2. そもそも相続人は誰か?

遺言によって特段遺贈等がなければ、法定相続人が相続人となります。

このケースでは、5人兄弟で一人が既に亡くなっていて、その子が2人いるということでしたので、以下のように遺産相続が為されます。
福岡の相続例

被相続人の子であるA~Eは全員が相続することになります。ただし、Cは既に亡くなっているために、Cの子であるFやGも代襲相続人となります。

なお、それぞれの遺産相続の割合については、法定相続の場合には、
A、B、D、Eはそれぞれ6000万円(1/5)ずつ相続する、F、Gはそれぞれ3000万円(1/10)ずつ相続することになります。

また、Aが全て一人で相続することは認められませんし、遺産分割協議は相続人全員で行わなくてはなりませんので、代襲相続人FやGを無視して協議を行うこともできません。

2. 長男が家を継ぐと主張していることについて

遺産分割協議では、不動産など現物をそのまま分けると価値が落ちてしまうことがあるので、「必ずしも現物をそのまま分割しなくてもいいですよ、財産の種類や相続人みんなの事情を考えて分けましょう」となっております。

そのため、長男が福岡の自宅を相続するように主張するとよいでしょう。(ただし、自宅の不動産の価値が6000万円を超える可能性もありますし、他の相続人が自宅を主張すれば、協議がまとまらないこともあります。)

なお、祭祀の継承に関しては、相続財産に入りませんので、遺言で指定がない場合は慣習に沿って継承することができます。