相続税の納税猶予の注意点
相続税を支払うための納税資金を確保するために財産を処分しなければならないことがあります。しかし、相続税の納税猶予の仕組みを利用すれば、納税を先延ばしすることができます。場合によっては、相続税が免除されることもあります。
このように便利な制度である納税猶予は、2つの財産について認められています。農地と株式です。
ここでは、特に株式の納税猶予についてご説明します。
株式の納税猶予
株式の納税猶予は大きく分けて以下の5つの条件があります。
- 事前確認
- 先代経営者の条件
- 後継者の条件
- 認定対象会社の条件
- 事業継続要件
以下は、各条件の詳細です。
事前確認が不要になる場合は以下の場合です。
- 先代経営者が60歳未満の場合
- 先代経営者から公正証書遺言により取得する株式を合わせると、後継者が発行済議決権株式の過半数を有する場合
先代経営者の条件
- 会社の代表者であったこと
- 先代経営者と同族関係者で発行済議決権株式総数の過半数を保有かつ後継者を除いて同族内で筆頭株主であること
後継者の条件は以下の条件を含みます
- 会社の代表者であること
- 先代経営者の親族であること
- 後継者と同族関係者で発行済議決権株式総数の50%超の株式を保有かつ同族内で筆頭株主となること(1つの会社で適用される者は1人)
認定対象会社の条件は以下の条件を含みます
- 中小企業基本法の中小企業であること
- 非上場会社であること
- 資産管理会社に該当しないこと
- その他の条件
事業継続要件は以下の条件を含みます
- 代表者であること
- 雇用の8割以上が維持されていること
- 相続した株式の保有が継続されていること
このように、納税猶予を認めてもらうためには、様々な条件を満たさなければなりません。複雑に感じる方は、是非弁護士にご相談ください。