路線価と実勢価格の違いで取り分が変わる

路線価と実勢価格の違いを知らなかったために、遺産分割で損をしてしまう方がいらっしゃいます。どういうことかご説明しましょう。

路線価と実勢価格の違いは

実勢価格とは、実際の土地の価格です。これに対して、路線価とは、相続税の評価をするために、国税庁が公表している土地の価格です。

一般的に言って、実勢価格は路線価の数割増しです。何で、路線価が安いのか疑問に思われるかもしれません。なぜ路線価が安いかというと、国税庁は相続税額を決めるために一応の基準を決めておけばいいだけで、必ずしも実際の価格と同額である必要はないからです。

路線価と実勢価格の違いによって取り分が変わるのはなぜか

ここで、AさんとBさんが相続人であるとしましょう。相続財産は実勢価格で6000万円、路線価で4000万円の土地だとします。

Aさんは、路線価と実勢価格の違いを知っています。
Bさんは、路線価と実勢価格の違いを知りません。

Aさん 「Bさん、この土地は私がもらうから、土地の価格の半分を現金で渡すよ。」
Bさん 「分かった。でも土地の価格っていくらなんだろう?」
Aさん 「この土地は、4000万円相当だよ。ほら、国税庁が出している資料に書いてあるんだから間違いないでしょ。」
Bさん 「そうか、じゃあ、Aさんは土地をもらってください。その代わり、私に2000円ちょうだいね」

このようなことが実際にあるのかと思われるかたもいらっしゃるでしょう。しかし、実際にあるのです。相続について詳しい相続人が故意かどうかは別として、自分に有利なように話をすすめることがあるのです。

以上のように路線価と実勢価格の違いを知っておくことによって、自分の正当な取り分を守ることができます。しかし、相続税の評価は路線価によるなど、相続財産の評価は複雑です。ご自分の相続財産の評価についてもっと知りたい方は、是非無料の電話法律相談をご利用ください。