限定承認とは

限定承認の意味

限定承認とは、プラスの財産がある範囲でしか、マイナスの財産を負わないということです。

たとえば、5000万円のプラスの財産があり、6000万円のマイナスの財産がある場合には、5000万円のプラスの財産と5000万円のマイナスの財産を引き継いで、残りの1000万円のマイナスの財産は引き継ぎません。この場合、プラスマイナス0円になります。

これに対して、5000万円のプラスの財産があり、3000万円のマイナスの財産がある場合には、5000万円のプラスの財産と3000万円のマイナスの財産を全て引き継ぎます。この場合、プラス2000万円になります。

限定承認とはどういうときに使うものか

限定承認とは、プラスの財産とマイナスの財産のどちらが大きいかがわからない場合に使うものです。たとえば、5000万円のプラスの財産がある場合でも、マイナスの財産が6000万円なのか3000万円なのかわからないという場合があります。

このような場合には、限定承認をすることによって得することはあっても損することはありません。そこで、マイナスの財産が6000万円であったというときに備えて、念のために限定承認をしておくのです。つまり、限定承認とはリスクヘッジするための制度だということができます。

限定承認をする場合のハードル

限定承認は得することはあっても、損することはないものなので、限定承認を使っていきたいところです。

しかし、限定承認は、相続人全員でするものです。したがって、相続人間で争いがある場合には、限定承認ができない場合もあります。その場合には、迅速に財産調査を行ったり、相続放棄を検討したりすることになりますので、是非弁護士にご相談ください。