誰が相続人になれるの?具体的な事例から -代襲相続人その1

相続のルールは知っていても、現実の場合に当てはめると誰が相続できるのか判断しづらい時もあります。このページでは、具体的な事例を元に、誰が相続できるのかを簡単に解説いたします。

Q: 先日祖父Aが亡くなりました。祖母Bは存命で、私の父Dには姉Cと弟Eがいます。しかし、Eは先月事故で亡くなりました。Eには子Fがいて、さらにFにも子Gがいます。Fは父親Eが亡くなったのだから
自分がAの相続人なのだと言っていますが、本当なのでしょうか?

A: 本当です。
この場合、FはEの代襲相続人となりますから、Eが相続するはずの財産を相続することができます。また、その配分は下図のようになります。

相続具体例1

代襲相続とは?

民法では、「被相続人の死亡以前に相続人となるべき人が相続権を失ったとき、その子が代わってその物が受けるはずだった相続分を相続すること」を代襲相続とし、その相続権を承継する者を代襲相続人といいます。

(1) 被代襲相続人
被代襲相続人となれるのは、被相続人の子及び兄弟姉のみで、配偶者や直系尊属には認められません。

(2) 代襲原因
相続開始以前に「被代襲相続人が死亡している場合」、相続開始後の「欠格」や「廃除」の3つの場合に限り、代襲相続が発生します。

(「欠格」とは、相続の際の不正が認められる時、その相続人の権利を失効する制度を指します。また「廃除」とは、相続権のある人が被相続人に対して虐待をするなどの事実がある際に、被相続人が家庭裁判所に申し立てをすることで相続の権利を失効する制度を指します。)

再代襲相続

今回の事例で、もし仮にFが相続人から廃除されてしまったとしたらどうなるでしょう?

この場合、再代襲相続が起こり、Gが再代襲相続人となります。これは、民法で代襲相続人に代襲原因が発生した場合はさらに代襲相続が起こると規定されているからです。

ただし、代襲相続の場合、被代襲相続人となれるのは被相続人の子、及び兄弟姉妹ですが、再代襲相続の場合には被相続人の子のみであることに留意して下さい。

このように、誰が相続人になるのかは、法律に詳しくない方にとって判断が難しい場合があります。お困りの際は法律の専門家である弁護士にお問い合わせ下さい。